ゴオルの鶏の鳴くごとに、

幸福にはお辞儀しろ。

俺はもう何事も希ふまい。

命は幸福を食ひ過ぎた。

＜ランボー「地獄の季節」　小林秀雄　訳＞

平野遼は北九州出身の抽象画家です。

生涯、真摯に闇を描き続け、

死ぬ間際までそれを貫きました。

冒頭のランボーの詩は

生前の平野がよく口づさんでいたそうです。

私たちの生活には今や情報が溢れかえって、

個人の生涯から著名な建築物まで、

ありとあらゆるものの資料が手に入る時代です。

何物も珍しくはないこの時代に、

画家に限らず芸術家がなし得ることは、

当たり前の日常の中に

常人には見出し得ないものを

表現し尽くすことではないでしょうか。

この普通ではないものを見通す視点を

平野は「原始人の眼」と言っています。

「闇は光の根源」だという彼の絵は

闇を描きながらも光を見いだせるような

ところがあるように思います。

彼の絵を見ていると、

そこから強く生きる力を得られる気がしているので、

いつか是非、本物が１枚欲しいです。

今年は彼の没後20年にあたるそうで、

北九州市立美術館でコレクション展が開催されています。

興味がある方は是非、足を運ばれてください。

常人たる私たちはできることを精一杯努めるだけですね。

西日本エレベータは力を尽くして

メンテナンス業務に取り組んでいます！

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