「血のように真っ赤なものがうめきながら
闇の中から現れる
それはのたうちまわりながら
道化たちを餌食にする
天使たちは人間の血で赤く染まった
蛆虫の姿にぞっとするのだ」

（「勝利の蛆虫」エドガー・アラン・ポー）

。。。

広島焼きを堪能したあと、

原爆ドームへと歩きました。

夜でしたが、それなりに観光客がいて、

記念撮影などしていました。

ライトアップされた廃墟を見ながら、

人間の人生の悲劇を謳ったポーの詩を思い出しました。

シラードの手紙、とは、

ルーズベルト大統領に宛てたアインシュタインの手紙で、

原爆開発のきっかけになったと言われています。

それが恐ろしいほど強力な爆弾となることを知りながら、

開発を進言する手紙に署名したアインシュタインの念頭には、

科学者としての純粋な好奇心だけがあったのでしょうか。

ただ威力のある爆弾というだけで、

放射線というものが、

人間の細胞のすみずみまで破壊する凶器だということまでは

考えなかったのではないだろうか、と思ったりします。

原爆の投下の是非は、

国の立場により正義だったと言う人もいますが、

寒々しい廃墟を見ながら、

私にはどうしてもそのようには思えなかったのでした。

。。。

翌日、朝に広島の街に再び出ました。

夜には気が付かなかったのですが、

街の中心を流れる大きな川に水上タクシーが。

お値段は1,500円と書かれてありました。

看板に「恋愛相談、占い、テレパシー」と書いてあったり、

どうも、合法的に営業しているとは思えない、

怪しい佇まいでした。

。。。

そろそろ広島の旅は終わりに近づいてきました。。（つづく）